1番(八木秀英)
それでは、3点目の質問に入ってまいります。介護保険制度は現場の視点でということで質問をいたします。
介護保険制度は国の特別措置で、65歳以上の介護保険料の徴収が9月まで猶予され、10月以降の1年間は本来の額の半額に抑えられ、65歳以上の高齢者の保険料徴収を据え置いた形でこの4月からサービスが始まっております。この保険制度は40歳以上の人が対象で、40歳から65歳未満が払う2号保険料は制度が始まった4月から給与控除されるなどして、全額が徴収されています。10月からは残る65歳以上の高齢者についても保険料が徴収されます。行政側もサービスを受ける人もそうでない人も、10月が本当の介護保険制度のスタートと実感されている人も多いのではないかと思います。この10月を前に私は現場の視点に立ってということで、3点ほど質問をしてまいりたいと思います。
まず第1点目といたしまして、65歳以上の高齢者の介護保険料が10月から徴収されるのを前に、保険料の額などを知らせる「介護保険料納入(決定)通知書」の発送準備が県内の一部市町村で始まっております。早い市町村では7月末から8月初めに発送しておりますが、私はこの通知書の発送につきましては、慎重に行っていただきたいと思っております。
通知書は収入に応じて異なる年間保険料や納付月ごとの納付額などを知らせる文書ですが、年金から天引きされる特別徴収か、自分で納入する普通徴収かの支払方法の区分けなども示され、県中部では藤枝市が周辺市町に先駆け8月4日に発送しております。担当の介護保険課では保険料の徴収が始まる10月が本当の介護保険制度のスタートという意識で、なるべく早めに市民に知らせようと考えたということで、同市では普通徴収の対象者には口座振替を勧める方針で、振替を早めに案内することや、同時期に独自の介護保険ガイドブックの配布を予定しているため、通知時期を8月初めに設定したとのことです。
沼津市では、対象の8割余りを占める特別徴収者には、7月末から8月初旬にかけて通知を発送しました。同市は、災害で所得が減った人などに適用する減免の申請期限を2カ月前としているため、8月中に申請手続がとれるよう配慮したということであります。
浜松市では、約9万1,000人と県内で最も多い対象者を抱えており、当初は特別徴収者への発送を8月初旬に予定していましたが、国民健康保険の納付書通知時期に近接することから、介護保険課では、混同を招かないようにと8月末以降にずらしたということです。なるべく早くお知らせしたいとの配慮から既に通知済みの自治体がある中で、一方では通知が早過ぎると、高齢者には逆にわかりにくいのではとの配慮や、転出や死亡で納付義務が亡くなった人に通知が行って混乱を招かないよう対象者の確定をぎりぎりまで待ちたいとの理由を挙げ、支払い手続が実際に始まる10月やその直前に発送する自治体も多いようです。
当長泉町では8月中旬に沼津市同様、発送されたというようなことを伺っておりますが、やはり慎重かつ十分な配慮をされまして、対象者の確定を待って本来は通知をすべきであったというふうに考えますが、その点について、まず町長に所信をお伺いしたいということであります。
次に2点目といたしまして、希望する人が等しく利用できる介護保険制度とするためには、個々のケースごとに現場の視点でのきめ細かな対応が欠かせないものと私は考えております。介護保険制度による要介護認定で介護が必要と認められた高齢者が県内で6万2,100人に達し、制度は浸透しつつあるように思いますが、4月のスタート前に県が予想した7万8,700人と比べると、まだ1万6,600人もの開きがあります。予想として挙げられた7万8,700人が目標というわけではありませんが、残る1万6,000人の中には潜在的に介護を必要としている人がかなりいるのではないかと県も見ております。
介護が必要と推定されながら、申請を見送っている人にはどんな理由があるのか、制度についてのPRは行き届いているのかなど、予想と現状との乖離の原因について町としても検証すべきと考えます。
介護保険制度のスタートとともに、市町村などに多くの苦情が寄せられたことは記憶にも新しく、県のまとめによりますと、4月の1カ月間だけでも150件に上ったそうであります。その内容は、「認定の結果、短期入所の日数が減ってしまった」など要介護認定に関するものや、「デイケアの利用回数増を要望したが、ケアマネージャーに断られた」、「1割の利用者負担、食費以外に衛生管理委託費を請求された」など、ケアプラン作成や経費負担をめぐる苦情、また「時間前にヘルパーが帰ってしまった」といったサービス関係の事例などさまざまでありまして、市町村や県は苦情の内容に応じて直接指導したり、施設やケアマネージャーとの話し合いを助言したり、苦情概要を関係者に通知して、適正な対応を呼びかけたりと、ケースに応じた処理、対応に努力をされております。
しかしながら、5カ月近くを経過しておりますが、疑問や不満が解消しているとは言えず、戸惑いを引きずったままの利用者も多いようであります。中には特に問題となった痴呆の判断などの認定作業に紋切り型の処理だと背中を向けてしまった人たちもいます。制度に対する不信が申請にブレーキをかけてしまっている側面があるようです。
それから1つには、子が親を介護するのは美風といった従来の発想へのこだわりが根強いことが挙げられております。介護の負担が嫁などに集中し、介護疲れで倒れてしまったといった話を今さら例に出すまでもなく、「家族がいるのにホームヘルパーを頼んだりすると、何を言われるかわからない」、そんな声がまだまだ聞こえてくるのが現状であります。
子と親のいい関係を続けるために、介護サービスをうまく利用して家族間のストレスを少しでも和らげる。介護保険制度はだれもが普通に利用できる当然で当たり前のこととだれもが自然に受け入れることができるように、難しいことではありますが、親子の情愛と介護とを切り離して考える手助けになるよう、介護保険制度の前向きな評価を丁寧に説明していくことが今求められていることだと思います。「血の通った制度に」という声も膨らんできております。行政はこれらの声に目を背けてはいけません。制度が始まった以上、希望する人が等しく利用できるようにするのは当然であります。
ちょっと見ただけでも、定着への道のりの険しさが浮き上がる介護保険制度です。かぎは、現場の視点を忘れないということだろうと思います。
まず、予想と現状の乖離の原因について検証していただきたいということであります。介護が必要と推定されながら、申請を見送っている人にはどんな理由があるのか。また地道なPR活動や的確な指導を積み重ねて、制度の信頼をかち取っていただきたいと考えますが、制度についてのPRは行き届いているのか。介護保険制度に関する町長の所信をお伺いしたいわけであります。
copyright(c) 1997 長泉町役場 議会事務局 e-mail:gikai@nagaizumi.org
Last Update 2000.12.20